「~された」もう一つ

大学生と話していると、言葉が時代と共に動いていることを実感する機会がたびたびあります。


このところ感じているのは、大学生の言葉の中に尊敬の「~された」が多く使われることです。
「先生はいつも素敵なアクセサリーされていますよね」
「先輩がバイトされているので私も誘ってもらって」
「あの先輩はさりげなく気遣いされます」
「去年先輩がされてたので、私もそろそろ卒論書かないとと思ったんです」
という具合です。

他の敬語については全く無頓着なように感じる学生も
「~された」には敏感になっていると感じるのです。

そしてそれはなかなか聞き心地がよい。
敬語をきれいに使っていると「この子できる子だわ」なんて思ってしまいます。

でもなぜ敬語の中で「された」だけが使われているのかしら。

言葉が時代とともに動いているのか。
私の空耳なのかしら。

宮武

宮武 里衣

宮武 里衣

愛知学泉大学 家政学部こどもの生活学科 教授。高校の国語科教員として30年ほど勤務し、縁あって現在は小学校の教員を養成する大学で「国語科教育法」などを中心に指導しています。高校生、大学生の「国語」の指導を通して、言葉の育ちは幼少期から螺旋的につながっており、特に幼少期の言葉への関りがその後の言葉に獲得に大きく影響していることを感じています。子どもの周りにいる大人が、少しでも子どもの言語環境に敏感になってくれたらいいなと考えてこの活動を始めました。保護者の皆様方もお子さんと一緒に楽しんでくださったらうれしいです。

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